約 2,021,254 件
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/702.html
381 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 00 51 33 ID oKsZ0FHK 俺は、メイド喫茶の店長というものをやっている。 店長という肩書きが引っ付いているが、実際店を回しているのは副店長で、 俺は椅子に座っているだけで、何も(と言っちゃなんだが)していないようなものだ。 俺がやっていることは、モニタを見ることと、スイッチを押すことと、メールを見ることだけ。 ひとつずつ説明していこう。 まずはモニタについて説明する。 モニタには、喫茶店の、内外の様子が映っている。 つまり、仕掛けてある監視カメラの映像を見ているのだ。 事務所の中に置いてあるモニタの数は6つ。 喫茶店の入り口から路地を見渡すように一つ。 店内に四つ置いてあるテーブルをそれぞれ監視するために、四つ。 カウンター内にいる店員の頭上からカウンター席を望むように、一つ。 いずれも、客が不審な行動をしていないかを監視するために設置されている。 たとえば――入り口に一番近い位置にあるテーブルに座っている若い男。 文庫本などを読みながら、注文の品が届くのを待っている。 たった今、本を畳んでしおりを挟み、それをテーブルの上に置いた。 大きく伸びをして、あくびをしている。 誰にも見られていないと思っているのだろう。 天井に顔を向けながら、顎が外れんばかりに口を開けている。 しかし、監視カメラを見ている俺からは、男の口内がよくわかる。 店員のメイドの一人が、トレイの上にカップを乗せて男のいるテーブルにやってきた。 男はあくびをやめて、腕をテーブルの上に置いた。 テーブルの上に置かれたカップを左手で持ち、唇をつけた。 そして、ソーサーの上にカップをもどすと、また文庫本を手にとり読み始めた。 店員はそのテーブルに背を向けて、立ち去った。 男は文庫本片手に、カップの中にある液体をちびちびと飲んでいる。 どうやら、まだこの男は10回目に達していないらしい。 普段ならこの時点で眠気を催して、テーブルに突っ伏しているからだ。 もしくは、店員がテーブルに近づいた時点でカップの中身を男にぶちまける。 その後で、その男は店の奥に連れて行かれるはず――おや? 383 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 00 52 33 ID oKsZ0FHK 先ほどまでカウンター席に座っていたスーツ姿の男が立ち上がって、 店員に向かって何かを言っている。 彼の前にいる店員は、ぺこぺこと何度も頭を下げている。 監視カメラに併せて集音・録音用のマイクを設置したりはしていないのでよくわからないが、 男がジャケットを脱いでそれに顔を近づける様から考えるに、店員が粗相をしてしまったようだ。 普通の店ならこの場で店長なりが登場するのだが、生憎俺はそんな面倒なことはしない。 カウンターの前にいる男は店員に何か怒鳴っている。 彼に向かって、店員が申し訳なさそうに頭を下げる。 店員のメイドが何かを喋ってから、男の手をとった。 店員は男を奥へ引っ張っていこうとするが、男はその手を振り払った。 カウンターに背を向けて、男は喫茶店の入り口へ向かって歩いていく。 ――どうやら、出番が来たようだ。 数少ない俺の仕事の一つ。 事務所の机の上を占領しているスイッチ類の操作。 数にして、およそ……50ぐらいだろうか。 ときどき無造作に増えているのでよく覚えていない。 ともあれ、今回のような『10回お店に来たお客様へのサービス』を拒む、 入り口へ向かって今も歩き続けている男に対しては、『car-2』スイッチを使う。 スイッチを押す。すると、カチッ、とあっけない音がした。 店先を映し出している監視用モニタを見る。 路地に停めてあるミニバンタイプの乗用車が動き出した。 乗用車には、もちろん人が乗っている。 運転ばかりは、ここにあるスイッチでは役不足というものだ。 今のスイッチは、ただミニバンの運転手に合図を送るためだけのものだ。 店の入り口と壁に張り付くように、ミニバンが停車する。 それを確認したあと、店内の様子を監視カメラで観察すると、 スーツのジャケットを腕にかけた男が入り口のドアを開けようとしていた。 喫茶店のドアは外開きになっているので、今のように外に車が停車していたら、もちろん開かない。 男は扉に向かって怒鳴ったあと、先ほど粗相をしたメイドの元へと向かう。 彼がジャケットを店員に手渡すと、店員が笑顔を浮かべたのが、俺からも良く見えた。 店員のメイドが男の腕を掴むと、男はたたらを踏みながらそのままメイドの腕に引っ張られて、 カウンター横のドアをくぐっていった。 ――さて、仕上げだ。 手元の、『K-01』スイッチを人差し指で軽く押す。 しかし、特に何が起こるわけでもなく、店内はいつもの静けさを保っていて、 店員のメイド達も普段の業務へとすでに戻っている。 では、このスイッチがなんなのか、というと。 ――かいつまんで言えば、お客様へ向けた、当店のサービスです。 384 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 00 53 48 ID oKsZ0FHK 最後に、メールについて。これが一番簡単な仕事だ。 事務所においてあるPCに届くメールを見て、プリントアウトすることだけ。 送り主は女の子ばかりだ。では、ついさっき届いたばかりのメールの内容を紹介するとしよう。 ----------------------------------------------- タイトル: お店で働かせてください 本文: 先日、A町の街頭でお会いした者です。 名前は、T村K子です。年齢は19歳。大学生です。 私と彼の近況を明記してください、とのことでしたので、以下に記します。 私と彼は大学の同じサークルに所属しています。 講堂でも、お互い隣同士の席になることがよくあります。 いつも、彼のほうから私の隣に座ってくるんです。 彼は、私のことが好きなんです。そうに決まっています。 でも、一つ問題があります。 彼の姉と名乗る人物が、私たちの仲を壊そうとしてくるんです。 この間、私は彼のためにお弁当を作りました。 腕によりをかけて、愛情をいっぱい、いっぱい込めました。 お弁当を持って、昼食の時間に彼を探し出しました。 そのとき、彼の隣には女が座っていました。 私はあふれ出す怒りを押さえ込み、彼らの隣に偶然を装って近づきました。 彼の隣に座っていた女、彼の姉の目といったら、もう、憎くてたまりません。 『なによあんた』『私の弟に近づかないで』 『あんたみたいな他所の女に弟は渡さないわ』という、独占欲が丸出しになっていたのです。 私は彼に弁当を渡すことなく、その場を立ち去りました。 大学から家に帰って、私は泣きました。 せっかく作ったお弁当を彼に食べてもらえなかった。 あの時、無理矢理にでも押し付けていけばよかった、と後悔しました。 何時間も泣き続けて、泣きつかれて眠って、起きたときに私は決断しました。 彼を、絶対に私のものにする、と。 そのためには、彼をあの女の手の届かない場所に連れて行くことが一番だと考えました。 あなたの言うとおりに、誰も知らない場所に監禁してしまえば、 あの女もきっと彼を諦めるに違いありません。 お願いです。私をあなたのお店で働かせてください。 どうしても、私は彼が欲しいのです。 彼も、私に監禁されることを望んでいるに決まっています。 最後に、彼の名前と年齢を記します。 O谷Tくん。19歳です。 他にも必要な情報がありましたら、連絡をいただければお教えします。 ----------------------------------------------- 385 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 00 54 56 ID oKsZ0FHK 事務所にあるPCに届くメールは、どれもこんな内容ばかりだ。 決まって、メールを送ってくる相手は年頃の女の子だ。 そして、男を手に入れるためにここで働きたい、ということが必ず書いてある。 ちなみにメールに書かれている『あなた』というのは、俺のことではない。 『オーナー』のことだ。 『オーナー』が、どんな人物なのかとか、何歳なのかとか、俺は何一つ知らない。 ただ、副店長の父親だということだけがわかっている。 副店長は、18歳の女の子だ。 身長は、160cmぐらい。 スリーサイズは、俺の目測では93・60・89。カップはF。 体重は、怖くて聞いていない。 ただ、いつも俺の体に乗ってくるときにそれほどの重さを感じないから、 体型に合わせたぐらいのものだと思う。 髪型はおかっぱで、メイド服と組み合わせるとかなりいい感じになる。 彼女がいつも浮かべている微笑からは、幻想的というか、非現実的な印象を受ける。 とはいえ、顔立ちがいいからいつもその笑顔を見ているだけで俺は癒されてしまう。 副店長――春香は、俺の恋人でもある。 俺たちの関係は、このメイド喫茶に俺がお客としてやってきたことから始まった。 そのころから、春香は喫茶店でメイド服を着ていた。 当時はまだ、副店長ではなかった。俺が店長になってから彼女も副店長になったからだ。 一目見た時から、俺は春香に惚れてしまった。 さきに挙げたように、周りにいるメイド達と比較しても際立つ魅力を放っていたからだ。 あの頃の俺はまだ女を口説くことに慣れていなかったから、声をかけることができなかった。 だから、春香に会うために俺は何度もこのメイド喫茶に足を運んだ。 椅子に座ってコーヒーを注文して、しばらく待っていると春香がトレイにカップを乗せてやってくる。 彼女が優雅な仕草でテーブルの上にカップを置く。 ナプキンを敷いて、ミルクと、砂糖と、銀製のスプーンをその上に置く。 春香は「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」と言って頭を下げる。 きびすを返し、コツコツ、と小さな音を立てながら、俺のいるテーブルの前から居なくなる。 その一連の動作と、彼女の微笑を見ているだけで、俺の胸は締め付けられた。 ――春香が欲しい。 ――俺のものにしたい。 ――彼女を、抱きたい。 メイド喫茶にあししげく通っていたころの俺は、いつもそう考えていて、 その考えがそのまま目に宿っていたのではないか、と今では思う。 普通に考えれば、通報ものだ。 ともあれ、10回メイド喫茶に通うことになったあの日。 ――願いが、現実になった。 389 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 42 13 ID oKsZ0FHK : : : 大学からの帰り。 人でごったがえしている都内の大通りを俺は歩いている。 大通りに面する場所には、色々な、多種多様な店舗が軒を連ねている。 大手百貨店、大型電気店、数十階建てのビルに、古今東西の料理店。 通行の邪魔になるような小型の立て看板を手でどけて、人の波を避ける。 ――めんどくせえ。 しかし、それでも俺の足は浮き足立っていた。 まるで天にも昇ろうかという気分ですらあった。 それは何故かというと、春香のいるメイド喫茶へと向かっているからだ。 今から春香の癒しの笑みを拝むことができるかと思うと、人の波もなんのその、というやつだ。 ホームセンターとコンビニの間に置いてある立て看板をどけて、通り抜けてからまた元に戻す。 人が一人余裕を持って通れるぐらいの幅の路地に入ると、 俺はいても立っても居られなくなり、駆け出した。 ――この先に、春香がいる。 それだけしか、今の俺の頭の中にはない。 それ以外は考えない。走りながら、勢いをつけすぎて軽く前のめりになる。 倒れそうになったところで、体を軽く前に倒して足を強く踏み込む。――倒れずに済んだ。 ボロボロの服で春香に会うなど、俺にはできない。 そうなったら今日は春香と顔を合わせることもできない。 こけるわけにはいかないのだ。 その後はスローペースで路地を走って、メイド喫茶の前に到着した。 緊張で震える手で、喫茶店のドアの取っ手を掴み、静かにドアを引く。 喫茶店の店内が、良く見えた。 木製のフローリングになっている床。 右手にふたつ、左手にふたつ、向かい合わずに交互に並ぶテーブル。 グラスやカップや大小の皿が納められた食器棚が奥に置いてある、カウンター。 そして、入り口のすぐ近く。 俺の立つ場所から見ると、右斜め前の位置。 「おかえりなさいませ。ご主人様」 メイド服を着て、ほほえみを浮かべる春香がいた。 390 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 43 01 ID oKsZ0FHK 「お席に、ご案内させていただきます」 春香が優雅に頭を下げる。俺は首を軽く前に倒した後で、店内に足を踏み入れた。 春香は音を立てるなと命じられたかのように、小さな靴の音を立てて、前を歩いている。 思わず、その後ろ姿に息を呑んだ。 そのまま近づいて、彼女の細い体を抱きしめたくなったが、自分を叱り付けてそのまま歩く。 「こちらのお席にどうぞ」 春香がカウンター前の椅子を引き、座るよう促した。 無言でその椅子に座る。音を立てないように。クッションをゆっくりと潰すように。 「何にいたしましょう。ご主人様」 ――君を。 などとは言えるはずもなく、「コーヒーをください」とだけ告げる。 「かしこまりました。それでは、少々お待ちくださいませ」 そう言って、春香は手を前に合わせて、カチューシャを見せるように礼をした。 後ろを振り返り、春香はカウンターの中へと入っていった。 店内をカウンター席から見回す。 どのテーブルにも客はいないし、他のメイドさんもいなかった。 時刻はまだ四時を少し過ぎたばかりだというのに、めずらしいこともあるものだ。 「~~♪」 カウンターの向こうから、春香の鼻歌が聞こえる。 コーヒーを淹れながら、彼女は目を細めた、優しい笑顔でそこにいた。 彼女が嬉しそうにしていると、俺の心の中にも花が咲く。 そのまま、春香のハミングを目を閉じたまま聞いていると、しばらくして歌が止まった。 春香が、コーヒーカップをトレイに乗せて、カウンターから出てきたのだ。 「ご主人様。コーヒーをお持ちいたしました」 メイド服を着た春香が、左掌の上にトレイを乗せて俺がいる席の前へとやってきた。 コーヒーカップが乗せられたソーサーの縁を右手で持って、カウンターの上に置いた。 同じくカウンターに置かれたミルクと砂糖を入れようと手を伸ばすと、白い手が横から伸びてきた。 391 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 43 44 ID oKsZ0FHK 「今日はご主人様が来られてから10日目になりますので、私めにやらせてくださいませ」 そう言うと、彼女は砂糖を入れて、次いでミルクを入れた。円を描くように。 コーヒーと乳白色の液体をスプーンで混ぜたあと、カップを差し出された。 「どうぞ。お召し上がりください」 右手の人差し指をカップの取っ手に回し、コーヒーを飲む。 いつもより、美味い。 なぜだろうか。――いや、愚問だな。 春香が淹れたコーヒーに、春香が入れた砂糖とミルクが合わさっているのだ。 俺の味覚は、これ以上美味いものは存在しない、と断言している。 そのコーヒーを味わって飲んでいるうちに、いつのまにかカップの中身が空になった。 残念に思いながら、カップをゆっくりとソーサーの上に置いた。 すると。 「ご主人様。もう一杯、いかがですか?」 春香がポットを持って、俺におかわりをすすめてきた。 せっかくの誘いを断るわけがない。 俺は「いただきます」と言って、コーヒーを淹れてくれるよう頼んだ。 ポットから、黒と琥珀の中間の色をした液体がカップに注がれる。 春香がコーヒーを注ぎ終わったあと。 なんのはずみかはわからないが、彼女の手が滑ってポットが俺の膝の上に落ちてきた。 膝の上で一旦止まり、ポットが床に落ちる。 ――ガシャン という音を立てて、ポットが割れた。 「も、申し訳ありません!」 と言って、春香が床に膝をつき、布巾を持って俺の膝を拭き始めた。 彼女は泣きそうな目をして、俺のジーンズを布巾で擦っている。 そして、彼女の手が右膝から左膝に移ったとき。 ――ドクン 心臓の音が俺の耳に届いた。 392 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 44 54 ID oKsZ0FHK 春香はしゃがんで、俺の――股間の前にいる。 彼女の目は潤んでいた。 今にも泣き出しそうな顔をしていた。 その顔を見ているうちに、俺は、自分の喉が締め付けられるのを感じた。 普段より、目が大きく開いた。 目は、初めのうちこそ春香の顔を見ていたが、いつのまにか視線が下へと向かっていった。 その先には、メイド服のエプロンを押し上げている、春香の胸がある。 俺の手はポットが落ちたときの驚きで肩の辺りに上がっていたが、 その手が、肘が、腕が、うずうずとしていた。 手が震えている。 寒いわけでも、武者震いをしているわけでもなく、勝手に動いている。 俺の意識は「動くな」とだけしか言わないが、頭の奥の深い部分が言っていた。 ――――春香を犯せ。 ジーンズに押さえつけられている肉棒が脈を打った。 睾丸の辺りから骨盤を通り、へその下の部分に得体の知れないものがたまり始めた。 ――これは、肉欲だ。 「ご主人様? どうなさいましたか?」 春香の声が、下から聞こえた。 それは俺の耳だけに聞こえるはずだったが、股間にまでその声が響いてきた。 怪訝な顔をして、春香が俺の顔を上目遣いで見つめてきた。 奥歯を強くかみ締める。 鼻から大きく息を吸う。 唇を固く、離れないように強く押し付ける。 それで、なんとか体の感覚を春香に向けないようにすることができた。 が。 「ご主人様……?」 春香の白い顔が俺のすぐ目の前にやってきて、 俺は――顔の力を抜いた。 393 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 45 48 ID oKsZ0FHK 両手で春香の顔を鷲づかみにする。 柔らかい髪が俺の指の先をとおりすぎ、指の間に埋まった。 春香は口を薄く開けて、俺をまっすぐに見据えている。 彼女の唇が薄いピンク色をしていることを理解したあと、そのあとは何も考えずにキスをした。 策も、技も、加減もなかった。 ただ、彼女の唇に自分の唇を合わせて、舌を突き出した。 彼女の舌を求めて、俺の舌は動き出す。 春香の舌の先端を、舌の裏を、舌のくぼみを舐める。 舌の先端に、意識は全て集中していた。 春香の舌は、俺の舌のなすがままにされていた。 従順に、荒い波に揉まれつづけるようにたたずんでいた。 唇を離す。 春香は呆然として俺の目を見つめている。 けれども、その目に嫌気が混じっていないことを悟った俺は、再度くちづけた。 今度は、唇を当てて、舌で舐めるだけではなく、頭までが動いた。 首の力を使って、唇を強く押し付け、舌を深く突き出す。 俺が首を左右に振りながらキスをしていると、春香の首までもが応えるように動き出した。 「ん、ふぅ……はぁ、ん……」 お互いが首を曲げるたびに唇の結び目から声が漏れる。 しかし、俺も、春香も唇をくっつけたまま、離そうとはしない。 この熱を、放したくなかった。 春香の脇に、左右それぞれの手を差し込み、彼女を立ち上がらせる。 まだ、お互いの唇は離れていない。 手を春香の背中に回し、抱きしめる。 柔らかい。 まるで、ぬいぐるみかなにかのように、ふわふわしている。 春香の頭に手を当てて、さらに強く唇を押し付ける。 もう――止まることはできない。 その体勢のまま、春香の体を抱えるようにして前進する。 喫茶店に置いてあるテーブルに、春香の体がたどりついた。 そのまま、春香をテーブルに押し倒す。 394 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 47 36 ID oKsZ0FHK 一旦唇を離す。 俺と、春香の唇が結びついていた証のように、透明な細い糸が伸びる。 春香を見る。 顔が紅い。 目は潤んで、目じりは垂れ下がっている。 俺が見ていることに気づいたように、口の端を少しだけ上げて笑った。 その笑顔はいつも俺の心を癒すものだった。 が、今ではその笑顔すらも蹂躙することができる。 ――その一手が俺には与えられている。 首を下に曲げて、春香の胸を見る。 呼吸に合わせて、上下に動いている。 二つのふくらみが、メイド服の胸元を押し上げて、その存在を主張している。 膨らみの頂点に向けて伸びるしわを見ているうちに、俺はそれに手を伸ばしていた。 両手でエプロンの上から乳房を揉む。 柔らかな、布の感覚が両手にある。 だが、――物足りない。 左手を春香の背中に回し、エプロンの結び目を探る。 丁度、腰のうしろに布の塊があった。 力任せに引っ張る。すると、結び目がよりいっそう大きくなり、解けなくなった。 何度やっても解けない。 ――ならば。 エプロンがずれないようにするための、肩の布を引きちぎった。 エプロンをひっぺがすと、今度はブラウスが現れた。 左右の布を結び付けているのは、小さくて、黒いボタンだった。 両手の指をボタンの間につっこむ。 勢いよく腕を、外に向けて開く。 「あっ……」 ピンクのブラジャーがそこにはあった。 小さなフリルのようなものが、アクセントとして飾り付けられていた。 その形と色は俺をさらに興奮させた。 背中に手を回し、手探りでホックを取り外す。 背中から、ゆっくりと体に這わすように、手で下着と肌を引き剥がして、体の前に持っていく。 正面に手がやってきた時点で、そのまま手で布を押し上げる。 そこには、春香の乳房があった。 下着をつけていなくとも、それは形を崩すことなく、そこにあった。 右の乳房の頂に、くちづける。 唇の先で甘噛みすると、それは柔らかい感触を残したまま、潰れていく。 一度唇を離す。 今度は舌を唇から突き出し、ぺろり、と舐める。 すると、春香の口から喘ぎ声が漏れた。 舌を動かすたびに、その声はさらに甘さを増していく。 395 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 48 28 ID oKsZ0FHK ロングスカートを手で掴む。 それは何度か手を往復させていないと完全に捲くれないものであったが、 何度か、繰り返していく内にスカートの縁が俺の手の中におさまった。 春香の白い太腿に、口をつける。 舌で押しやると、柔らかく押し返す。そんな感触だった。 ショーツの上から秘所に手を当てると、そこはすでに愛液が溢れていて、ぐっしょりと濡れていた。 親指をそこに当てて、軽く押す。 「…っん、くぅ…はあっ……」 それだけで、春香の両足に力がこもった。 続けて、強く押したり、上下に押しやる。 そのたびに春香の白い足は力を込めて動き出す。 腰に手を当てて、ショーツの端を指で引っ掛けて、膝を通り、足首から脱がせる。 俺の目の前には、彼女の膣口があった。 そこからはすでに彼女の愛液が滴り落ちていて、スカートにしみを作っていた。 舌をその割れ目に這わせて、舐め上げる。 「る、ぁ、めぁぁ……ごしゅ、じ…ん……ぁ…」 幾度となくそれを繰り返すうち、彼女の陰裂はふるえてきた。 春香の足も、ふるふると動いていた。 両手で、彼女の腰に手を回す。 テーブルの上から、彼女の腰だけをはみ出させるようにする。 俺は、下半身を覆う全ての衣服を脱ぎ捨てて、それから、彼女の体と向かい合う。 目の前には、春香のあられもない姿があった。 口からはよだれを垂らし、胸元を隠す衣服は破かれ、白い乳房がむき出しになっている。 そして、俺の腰の前に、春香の陰裂がある。 へその下から彼女の体にぴたりと体を合わせて、少しずつ腰を近づける。 亀頭を春香の入り口に当てて、そして、一気に腰を突き出す。 春香の口から、叫び声が飛び出した。 その声が、まるで誘っているような響きに聞こえてくるほど、俺はおかしくなっていた。 腰を突き出して、肉棒を深く突き刺し、一気に引き抜く。 「ご、ぉっ、し……いん…ああ! …さ……ふぁっ!」 突き出すと春香は歓喜の声を上げる。 引き抜くと、切ない声を上げる。 ――たまらない。 止まることなど、熱に浮かされた体では考えもつかなかった。 じゅ、じゅ、という音が聞こえてきた気がする。 だが、俺には春香の喘ぎ声しか聞こえない。 そして、大きく、理性の壁を破壊する流れが股間に集中して――俺は果てた。 396 :ヤンデレ喫茶の事務所にて ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/06(金) 02 53 47 ID oKsZ0FHK そのあとは、よく覚えていない。 欲望が爆発して、そのときの記憶を頭と体から、おしやった。 その後で、体を包む倦怠感とともに目を覚ましたとき――俺は、椅子に縛り付けられていた。 : : : 俺の足首とパイプ椅子は、手錠でつながれている。 そのため、腰を浮かすことはできても歩くことはできない。 初めて自分の置かれている現状を見て、俺は「監禁されている」と理解した。 だが、特に不満なことはない。 用を足すときや、風呂に入るとき、服を着るときには、春香が錠を解いてくれるからだ。 できれば食事も自分の手で食べさせて欲しいものだが、嬉しそうな春香の顔を見ていると、 何も言うことができなくなって、俺は春香のなすがままになってしまう。 そして、今もそう。 たったいま事務所にやってきた春香が、俺の前で両手を合わせながら、語りかけてくる。 「ご主人様。ごきげんいかがでございますか? 今日も、お二方が結ばれましたよ。 男性に手錠をかけて、ベッドに押し倒し、目隠しをしたときのあの女性の表情は、 本当に幸せそうで……私も、思わずご主人様に同じことをしたくなってしまいましたわ。 そうそう。また明日も一名、この喫茶店で働きたいという方がやってくるそうです。 きっと、彼女たちも結ばれますわよ……私達のように。 うふふふふ……本当に、本当に、なんと楽しいことなのでしょう。 お父様のおちからが冴えている、ということですわ。 このままゆけば、きっと……私達はさらに素晴らしい存在になれますわ。」 『――――うふふふふ』 女性の笑い声が聞こえてきた。 その声は、俺がこの椅子に座ってから、何度も聞いてきたもの。 そして、俺はこの声を聞くために、ここに座っている。 そして、これからも座り続けるだろう。この喫茶店がここにある限り。 終 -------
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1603.html
466 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 21 12 17 ID QElPBcRU ふう…今日も朝からいい天気だな。 「ねえ、しー君。昨日公園のベンチでしー君と一緒にいた女誰?」 こんないい天気の日には「待て!!しおり!!あれは違うはばばばばっ!!!?」して1日を過ごしたいな。 …そして僕の目の前でまた1組のカップルが誕生した。……確かあれは隣のクラスの石田君と木根さんだったけ。仕方ない先生に二人は欠席です。と伝えてあげるか。 これで今月の登下校中、5組のカップルが誕生した。 の内僕の学校から2組。 「本当にすご「よっ、瀧斗~。」 ……僕の数少ない友達(ほとんどの友達が不登校?になってしまったから)の中林 拓海(なかばやし たくみ)が声をかけた。 「おはよう。」 「おはよう!おい、見たか!?またヤンデレが動いたぜ!」 「見たよ。僕らの学校からだったね。」 「最近多いよな。」 うん。後さk「お~い!」 …二回目だよ言葉遮られたの。トホホ… 「wwwよっ土田ww」 シュビッ 「おはようっ!佐藤君!偶然だね♪」 手を挙げて挨拶した中林を無視し、僕だけに挨拶をする土田 祥子(つちだ よしこ)さん。 大きな目を爛々と輝かせながら、肩よりも少し長い茶毛を揺らし、僕(中林もいるが)の方へ走って来た。 「アタック~♪」 「!!!」 …訂正、僕(もちろん中林もいます)の方へ飛び付いてきた。 「い‥痛いよ、土田さん……。」 「もうっ!佐藤君そこは『おはよう』でしょう。」 「そのコメントだと、昨日『違うでしょ!そこはもっと親しみのある言葉……』って言っていたよね?」 「昨日は昨日、今日は今日だよっ」 相変わらずのテンションのおかしさだ。 「W「俺の存在がwww」 …中林、次僕の言葉遮ったら、 「ただじゃすまないよ?」 「「何が?」」 中林と土田さんがハモってそう言った。面白い。 「………おい、しげみっ、何ハモってんだよっ」? 「す・すいません…」 土田さんが中林とハモったことが大層気に入らなかったのか、かなりドスの効いた声で中林を圧倒していた。………仕方ない。数少ない生き残りの友だ。助けるか。 467 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 21 44 52 ID QElPBcRU 「それよりも土田さん。いつもいつも偶然って感じだけど、いや偶然じゃないよね?」 えっ?偶然だよ~♪」 ダキッ 「うんわかった。とりあえず、抱きつかないで」 「偶然だよ~」 どんな偶然!? こんなやり取りをしていたらいつの間にか酒屋さんの前にまで来ていた。僕の中ではこのやり取りは楽しいのかな? と、そこで 「おはよう」 「おはよう」「オッス!」「それでね~昨日は… 数少ない友達パート2の井上 聡(いのうえ さとし)が僕達と合流した。三者三様の挨拶……一人違うか…今なお僕の隣にいる土田さんだけが井上を無視して、僕に話しかけている。挨拶ぐらいしようよ…。 「相変わらずだな」 「そっちもね」 「~♪」 井上の後ろから抱きついている一人の女性に挨拶をした。 「おはよう、都塚さん」 「おはよう、佐藤」 「おい、玲お前いつからいた?」 「今さっき♪」 都塚 玲(とづか あきら)さん。容姿端麗、文武両道、クールキャラの人だ。 とても長い黒髪をなびかせながら歩く姿は本当に華麗で現代の大和撫子みたいな人だ。常にクールだが井上の前だと、メチャクチャデレるのがギャップ萌というのか、本当に可愛いらしい方だ。 「おい、都塚さん。私の佐藤君に媚びいれないでよ…」 土田さん、僕はあなたの物じゃありません。 もうおわかりだと思うけど、土田さんはヤンデレです。僕に対する。過去の出来事で危うく童貞が奪われる時もあった。 都塚さんも今は過激な動きを見せていないが、多分井上loveのヤンデレだろうと予想している。 「何を言うの?佐藤はあなたの裸体でも妄想していたんだろう」 してません。 「えっ!?マジ…!?」 違うよ。 「キャ♪佐藤君たら~…見たい?」 「全然」 「恥ずかしがっちゃって~♪」 ダメだ。聞く耳持ってくれない。 「玲離れてくれ」 「なんでだ?」 「邪魔」 「またまたそんなこと言って、本当は嬉しいのだろう?」 「俺空気?」 向こうも向こうで大変そうだな。てか中林、泣きそうになんないでよ。毎度。 468 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 22 23 43 ID QElPBcRU 「早く離れろ」 「いやだ」 「いいから早く、この貞子」 「ぷっwww」 「!!!!!!」 ぶんっ 「コペルニクス!?」 井上の発言に笑った中林が突如地面にへばりついた。 「何がおかしいんだ?しげみ?」 ちなみに中林が何故女子から“しげみ”と呼ばれているかというと 「“中”途半端な“林”だからっ」と、この前土田さんから聴いた。 「何もおかしくありません…」 地面にへばりつきながら喋るなんて器用だな。 「なら何故笑った?……しげみ覚悟しろ。今日こそお前を……」なんか展開ヤバくない? 「イケイケ~玲ちゃん!」 応援やめて!くそ、また助けなけなきゃ。 「そ・そういえば、井上はポニーテールが好きだよね!メチャクチャ?」 「ああ、大好きだ」 「いえ~い!!ポニーテール最高!愛してる!」 「可愛いもんね!」 「「!! 」」 よし、なんとか食いついた。都塚さんが中林への攻撃を中断し、ポニーテールにしていた。…ついでに何故か土田さんも食いついた。 「…うん!どうだ似合うか?」 「ああ////」 なんかいい感じになったな。 「 」いそいそ …土田さん、それはちょんまげだよ…。 「…ああ、もう別にいいもん!素の自分で頑張るし」 まあ、今のままでも可愛いと思うけど。「助かった…サンキュー瀧斗」 「どういたしまして」「いつつ…俺先に学校行って保健室寄るわ」 「ああ、うん」 小走りで先を急ぐ中林。 「おい、しげみ」 しかし、都塚さんが中林の前に立ちはだかった。 「ひっ…なんでしょう?」 「…私になんか言うことあるだろう」 「!!す・すいませんでした-」 おお!見事に90度だ。上手いな中林。「……ちっ、まあいいよ」 都塚さんはまだ納得のいかなそうな顔でしぶしぶ井上の隣に戻っていった。 「ねえ、佐藤君はこのままでも大丈夫だよね?」 土田さんが自分の髪の毛を触りながら尋ねてきた。 「うん」 「へへへ♪」 「どうした玲?浮かない顔して」 「………」 パサッ 「やっぱり私も素で頑張る」 都塚さんは変に土田さんに対抗意識があるのか、ポニーテールをやめていつも通りになった。 そして中林は先に学校に向かったので、その後、中林を除いた4人で登校しました。 以上登校中の出来事でした。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2722.html
910 名前:ヤンデレ彼女とお電話 ◆7GucI4/V8s[] 投稿日:2015/04/26(日) 18 50 37 ID N/cza4BY [3/3] ねぇ……今どこにいるの……? えっ、お姉さんと一緒……? おかしいよね? 彼女、私だよね? どうして、私をほっぽって、お姉さんと一緒にいるの? いい。分かった。あなたは分かってないの。 あなたには私しかいないんだって。あなたは私がいればいいんだって。 くす。なんでもない。ねぇ……今日、会いたいな。私の家、来ない? そう、良かった。 そうね。1時間後、来てね。絶対。 安心していいよ。とっても楽しませてあげるからね。 お姉さんの事なんて……ううん、何でもない。大好きだよ。また、ね。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/128.html
71 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 1 [sage] :2007/10/29(月) 17 11 07 ID C/e57nKc 「ふふふふふ……ふふっ、あはははははは! そうよ、これで誰も邪魔出来ないわ。隆志君は私のもの。ずっとずっと私のもの! もう絶対離さない……邪魔者は一人もいないわ。これで私だけを見てくれるわよね。これで私のことを――痛っ!」 ああ、また指でも切ったか。 悲鳴と同時に読み途中の本を閉じ、ソファーから重い腰を上げる。 最近の姉ちゃんの癖は、高笑いと妄言と怪我を繰り返しながらの料理だった。 聞いてて胸が痛いからそろそろ飽きてくれ。ご近所からの苦情も来て然るべき頃だろうな。 俺は癖になりつつある溜め息をついてから、のろのろと台所へ向かった。 「あ……隆志君だぁ」 そりゃ俺だろうさ。何せ俺しかいないからな。 「見て。お姉ちゃん怪我しちゃったの」 「聞いてたから知ってる。ほら」 いい加減相手にするのも面倒なので絆創膏を投げてやる。 しかし、姉ちゃんは実に不服そうに俺を見つめていた。 「……舐めて消毒して?」 「は? 何バカなこと言って――」 「舐めてくれなきゃ絆創膏貼らない」 どんな脅しだよ。突っ込みたいが、姉ちゃんはぐいぐいと手を押し付けてくる。 連日繰り返される怪我によって絆創膏まみれになっているその手を仕方なく取り、嫌々ながら見た。 ……なんだ、大したことないじゃないか。ただちょっと皮が切れたくらいだ。 「舐めて」 「姉ちゃんこれ全然大したことないから大丈b」 「舐めて」 「いやだからさ」 「舐めて」 「大したことn」 「舐 め て ?」 「……慎んで舐めさせて頂きます」 虚ろな目で睨まれ、背中がぞくぞくする。嫌々手を取り、恐る恐る舌を伸ばした。 ここ数日こんなやりとりが続いているせいで頭痛が収まらない。何が悲しくて姉にこんなことをしなくちゃいけないんだ。 72 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 2 [sage] :2007/10/29(月) 17 12 00 ID C/e57nKc 溜め息の代わりに肩を落とし、傷口をなぞるように舌を滑らせる。 「ふぁっ」 弟相手にいかがわしい声を出すな。恥ずかしい。 鉄のような血の味を舌先に感じながら、ぐりぐりとそこに押し付ける。 「ひ……あ、やんっ」 ああこら太ももを擦り合わせるな、もじもじしてるんじゃない! 俺は指をそのまま口に含み、軽く吸い上げる。すると姉ちゃんは悩ましい声を出しながらぷるぷる震えて――って、待て! 何をしてるんだ俺は。今何をしようとした。ああ姉ちゃんよ俺を見るな。まだ血迷いたくは無いんだ。 慌てて姉ちゃんの指を解放する。不思議そうな目で此方を見ているが、今はそんな事にかまってなどいられない。 「……ほ、ほら! これで良いだろ」 手を引き剥がし、再び絆創膏を押し付ける。 まずい。非常にまずい。何がまずいって、今俺は姉を相手にとんでもないことをやらかしかけた。 俺は姉ちゃんに洗脳されつつあるのだろうか。いやまさか。俺は正常のはずだ。 バクバクと嫌な音を立てる心臓を落ち着かせる。冷や汗が流れ出ていた。 姉ちゃんは何処か恍惚とした笑みを浮かべながら、 「美味しかった? 私の血肉の味……」 直ぐ様うがいをしたのは言うまでもない。 ああ、ここが台所で本当に良かった。不機嫌そうな姉ちゃん? 知ったこっちゃないな。 73 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 3 [sage] :2007/10/29(月) 17 12 35 ID C/e57nKc 「今日はカレーなんだな」 「うん。隆志君カレー好きでしょ? だから作ったの」 「へぇ」 大きな鍋で煮込まれているカレーを見る。この量だと2日は続くな。 「隆志君が喜んでくれるなら私……なんだって作ってあげるよ。なんでもしてあげる。それにね? 私――」 姉ちゃんが何か言ってる様な気がしたが無視することにした。蓋を開けてちらちら中身を覗く。早く完成しねーかな。 「隆志君!」 うるさいな、聞いてないよそんな恥ずかしい演説なんて。 適当にあしらいながら、何か飲もうと思って冷蔵庫を開ける。と、そこには大量の濃口醤油のボトルが―― 冷蔵庫を開けた手を瞬時に翻し、適度に角度を付けて振り下ろす。目標地点だった姉の額に見事クリーンヒットした。 「アホかお前は!」 「痛いー! 今チョップしたわね? お姉ちゃんを叩いたわね? 確かに隆志君になら殴られても嬉しいけど」 「黙れ! 醤油は常温保存で良い、こんなに大量の醤油買うな使いきれないだろ、濃口醤油は塩分濃度が薄口より低い! ついでに変態発言かますな気持ち悪い!」 言いたい事を一気に言って冷蔵庫から黒いボトルを追い出していく。姉ちゃんは不服そうに頬を膨らませていた。 言っとくけどな、最近の醤油は飲み過ぎても死なないように改良されてるんだぞ。 「嘘! ええー、じゃあどうすれば……そうよ、塩水なら」 「飲まないからな」 「はうっ」 74 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 4 [sage] :2007/10/29(月) 17 14 55 ID C/e57nKc 俺はやっとの思いで麦茶を取り出し、コップにそれを注ぐ。 俺を殺そうとしているのはこの際諦めよう。しかし何でまたそんなしょうもない方法で殺そうとするんだ。 嫌だぞ、死因が醤油や塩水の飲み過ぎなんて。米で圧死並みに嫌すぎる。 「だって、毒は手に入らないから」 「じゃあ刺すなり絞めるなりすればいいじゃねーか」 「そんなの隆志君が汚くなっちゃうよ。綺麗なままで手に入れたいの」 「醤油まみれもそう変わんねーだろ! ……もう止めれば? 殺すとか殺さないとか」 「やだ。隆志君を私だけの物にするためだもの」 ならもっとこう普通の手段で……と言いかけて止めた。 なんでまた俺を殺そうとする、かつ弟に異様な愛着を示す変態にそれを促すアドバイスをしなきゃいけないんだ。 姉ちゃんは相も変わらず熱っぽい目を俺に向けていた。とりあえず視線を逸らしておく事にする。 暫くは静かだった。静かすぎるくらいだった。ふと姉ちゃんに視線を向けた瞬間、俺はぎょっとした。 姉ちゃんはまた虚ろな目をして、かつ今回は包丁を握り締めていたのだ。 「ね……姉ちゃん?」 「そうだ。そういう手段もあったのよね」 「おい」 「あの泥棒猫を殺せば良いんだ」 物騒な事を言いながらも、姉ちゃんは笑顔だった。 ぐつぐつと煮込まれているカレー鍋の音。野菜を切り立てだからか、やや水に濡れて光る包丁。うん、見事に台無しだ。 「危なっかしい事言うなよ」 「……そんなにあの子が殺されるのは嫌?」 「あのなぁ」 ガリガリと頭を掻いた。 よく話を聞いてないだの何だのと言ってきやがるが、姉ちゃんの方がよっぽど話を聞いてないじゃないか。 75 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 5 [sage] :2007/10/29(月) 17 15 41 ID C/e57nKc 「あの女って誰のことだよ」 「そうやって庇うんだ。騙されてるだけなのにどうしてそこまでするの? 大丈夫、隆志君はお姉ちゃんが守ってあげる。だから任せて? 邪魔する人は私が全部消して……」 「姉ちゃん!」 俺が叫ぼうとした瞬間、鬼のような目付きをした姉ちゃんの姿が目に入った。 こんな人は知らない。誰だよ。こんな怖い女は知らないぞ。 姉ちゃんは包丁を握り締め、 「殺すったら殺すわ。死んで当然でしょ? 私と隆志君の世界を邪魔したんだもの。あの野良猫が私は殺すの! 邪魔よ、邪魔なのよ。私の……私だけの隆志君をたぶらかした淫売大王なんて邪魔なの。 隆志君だけいればいいの。二人きりでいれればそれでいいの。他の誰かなんていらにゃいのおおおお!」 「最後の文法がおかしい。あと大王とか子供みたいな表現するな、響きが可愛くなってるだろ。 それと呂律が回ってないのに叫ぶなみっともない!」 姉ちゃんは表情こそ怒り狂っているが、台詞の突っ込み所が多すぎて恐怖を感じられない。相当テンパってるとみた。 ……所詮姉ちゃんは姉ちゃんか。たまに発狂してもポンコツには変わりない。 この姉が持ってるってだけで刃物も何だか怖くなくなった。実はそれ、先が引っ込むようになってんじゃないのか。 姉ちゃんがカタカタと震え始めた。俯いているため顔色は伺えない。うん、危ないから包丁は置け。 76 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 6 [sage] :2007/10/29(月) 17 17 32 ID C/e57nKc 「隆志君、最近私に冷たいよ。やっぱりあの女が好きなの? 騙されてる、隆志君は騙されてるんだよ。 あんな薄汚い野良猫にも普通に接するくらい優しいところは大好きよ。優しさは隆志君のいいところだよね。 優しくするのは許してあげる。でも私、あいつなんかを好きになっていいなんて言ってないよ? お姉ちゃんはもう嫌い? どうして? 私はこんなに好きなのに……」 珍しく噛まずに長台詞を言い切った姉を見据える。 視線の端に姉ちゃんが準備したと思われる薬物を認めると、俺は思わず数歩後退りした。 暗黒色に淀んで光を失った瞳は、真っ直ぐに俺を居抜く。 「……姉ちゃん」 俺は何を投げつけられても、刃物を振り回されても届かないであろうギリギリの距離に着いてから、一言だけ言ってやった。 「今のポーションに青色一号は入ってないぞ」 「嘘!?」 「ついでに青色一号は発ガン性物質であって即効性のある毒じゃない」 「で、でも寧ろダメージを受ける味だって誰かが……」 「今回のは前と比べて大分まともな味になってるぞ」 「ま、またそうやって私を騙すのね? 隆志君の意地悪! ……でも、そんな所も好き」 「はいはい」 妙に美麗な顔になってしまった大作RPGの主人公が印刷された缶を眺めながら、俺は本日何度目か解らない溜め息をついた。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2537.html
842 名前:ヤンデレ☆レモン[] 投稿日:2012/08/30(木) 17 16 47 ID .qf.IqEE [1/2] 一話 俺には一人の幼馴染がいる。 その名前は「舟山 御崎」(ふなやま みさき) そして俺の名前は(木葉 樹理)「このは じゅり」 御崎「樹理くーん!おっはよ~☆」 樹理「朝から元気だなぁお前は・・・・」 いつもいつも元気な御崎にはかわいいところがいくつもあって それは恋心というのか? 学校にて 美鈴「おそいぞ~お話しすることがいっぱいあるっていうのに・・・」 樹理「ごめん、ごめん・・・」 彼女の名は「槐羅 美鈴」(えんじゅら みすず) このクラスの学級委員長ですごく真面目 遅刻しそうになると軽くしかるけど 遅刻した時だったら本気で起こる しかも上級生にも目を付けていて 校則違反のものを持ってきていたらすぐ叱る だからそんなに友達のいないさびしい女だった でもみんな逆らえない だってこいつはこの学園の理事長の娘 つまりは金持ち 金さえあれば何でもできるやつだから 逆らえば終わりってところだ。 親いなけりゃ逆らっても意味なしなんだがな 泰知「うざいよ~真面目ちゃん #9825;」 こいつは槐羅をよくからかう俺の友達の泰知 でもこいつは槐羅が好きらしい うざいとかいうと可哀想じゃねえか 御崎「美鈴ちゃんなんかほっといて早く席に着こう 樹理君 #9825;」 やっぱりこのクラスで一番可愛いのは御崎だわ ある日の事だった 俺は告白された 同じクラスの結構モテモテの女の子に・・・ 放課後… 御崎「樹理君に告白した子ってチヤホヤ知れて調子乗ってる しかも男子の前では鼻声の矢部愛華ちゃんだよね?」 樹理「あぁ、、見てたのか・・・」 御崎「うん、迎えに来たら告白されてたから。あの子と付き合うの?」 いやいや、俺はお前が今好き?だし 御崎は無言で帰って行った いや、先に帰られた さっさと歩いてしまったので・・・ 翌日・・・・ 何と矢部は死んだんだ 何か知らないが指にくぎがいっぱい刺さってて ナイフでいっぱい刺されてたらしい 御崎「へぇ、死んだんだ…」 続く
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1450.html
ヤンデレ祭り スレの終盤で突如発生する祭り。一度発生すればスレが埋まるまで続く狂宴 シンを想うあまり行き過ぎた愛情を発揮する女性人の妄想なのか真実なのか… [[ヤンデレ祭り-01 ヤンデレ祭り-01]] [[ヤンデレ祭り-02 ヤンデレ祭り-02]] [[ヤンデレ祭り-03 ヤンデレ祭り-03]] [[一覧へ 名無しさんシリーズ]] [[元ネタ別インデックスへ 元ネタ別インデックス]] [[作者別インデックスへ 作者別インデックス]] [[トップページへ トップページ]]
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/126.html
49 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 1:2007/10/27(土) 17 43 46 ID GtEXSXwN 「悪いのはそっちなんだよ? 私があれだけ忠告しておいたのに、あたし以外の人を視界に入れるから」 入れずにいるのがどれほど無理な注文なのか、正しい判断能力を失った今の姉ちゃんには解らないらしい。 俺も俺で彼女の発言の意味が全く解らなかった。一つ一つの語句の意味は通る。しかし文章としてはまるで読み取れない。 俺が悪い? 何故。ただ部活中、後輩に指導をしただけじゃないか。もちろん性的な意味は含まれていない。 俺は後ろ手に縛りあげられている腕を自由にしようと必死で動かしながら、姉ちゃんを睨んだ。 「なぁ、どうしたんだよ。姉ちゃん、何言ってんだよ!」 「どうかしたのはあたしじゃない! 隆志君の方だよ!」 いつもぼんやりしていて、ちょっと……いやかなりドジだったが、優しかった俺の姉ちゃん。 その姉ちゃんの顔が見たこともない色に染まっている。怒りと絶望とで、般若の様に歪んでいた。 しかし、 「……でも、これで隆志君はずっと私の側にいてくれるわ。 ゆっくり時間をかけていけばまた私だけを見てくれるようになるわよね。ちゃんと元通りの日々に戻れるわよね」 そう言って、姉ちゃんはにっこり晴れやかに、実に嬉しそうな笑顔を浮かべた。 その表情は自然な、日常的によく見掛ける笑顔だった。でも、それはより一層状況の異常さを際立たせる。 なんでこんな状態で笑えるんだ。なんでそんなに嬉しそうなんだ。 俺は身動ぎするけどちっとも動けない。 50 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 2:2007/10/27(土) 17 45 00 ID GtEXSXwN 「いい加減にしろよ、早くこれ外せ」 「……その後、隆志君はどうするの?」 「は?」 一転して姉ちゃんの目が暗く淀み、ゆっくりと俯いた。小さく震えている様にも見える。 「外したら私の前からいなくなっちゃうんでしょ? あの女の所に行っちゃうんでしょ!? そんなの嫌よ。絶対離さない、もう絶対に私の側からは逃がさない!」 俺の切なる願いにも姉ちゃんは動かず、寧ろ固く拒まれてしまった。 言ってる意味も訳も解らない。あの女って誰だよ。今解るのは、姉ちゃんが正気じゃないことだけだ。 姉ちゃんは悲しみと怒りの入り混じった目で俺を睨みつけながら、 「あんな女なんかより私の方がずっとずっと隆志君の事を知ってるし想ってりゅのよ。だって私は小さな頃から隆志君の側に居たんだもん。 隆志君のことなら何でも知ってるわ。すっ好きな食べ物嫌いな食べ物昨日の夜何をしていたか余すことなく全部。 ――すぅ、それに……」 ――この空気で噛むな。どもるな。ついでに息継ぎするくらいなら無理して長台詞を喋るな。 駄目だ、正気じゃなくても姉ちゃんは姉ちゃんってことか。ポンコツ過ぎる。 未だにこの人が姉であることが信じられない。自然に溜め息が出た。 51 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 3:2007/10/27(土) 17 45 53 ID GtEXSXwN 「あのさ、姉ちゃんは何を言いたいんだ? 全然解んねえんだけど」 「隆志君とずっと一緒にいたい」 「は」 姉ちゃんの頬は赤く染まっていた。眉を寄せて俺をじっと見ている。正直どうリアクションしていいものか解らない。 俺の硬直ぶりを見つめているうちに、姉ちゃんはまた思い詰めた様子を見せ始めた。 潤んだ瞳は濁りだす。羞恥の震えは怒りに変わる。 「やっぱり、やっぱりそうなんだ。 あの女が気になるんだ。あの女の事を考えてるんでしょ? だからお姉ちゃんの話を聞いてくれないのね?」 何処をどう見てそう判断したんだ。今の俺は一字一句間違えてなるものかと必死で貴方の話を聞いていますよ。 何せ状況を掴む手段は姉ちゃんの言葉しかない。まぁ、聞いていた上で全く掴めていないのだが。 「だから、姉ちゃん!」 叫ぶ俺をスルーして、姉ちゃんはふっと踵を返す。 「……もう、駄目なんだぁ。ふふ、ふふふ……あはっ、あはははははは」 壊れたように笑って部屋を出ていく姉ちゃんの背中を見つめながら、俺はギリギリ唇を噛んだ。 何がしたいんだアイツ。会話が全く噛み合わないことに苛立ちを感じる。 ああもし今体が動かせたなら、その背中に何かかにか投げつけてやったのに! 52 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 4:2007/10/27(土) 17 47 12 ID GtEXSXwN ともあれ俺は周りの様子を確認することから始めることにした。 見覚えの無い部屋だが、辺りにあるファンシーな家具やら教科書類から推測するにここは姉ちゃんの部屋で間違いない。 にしても、物が散乱しすぎていてかなり見苦しい。女の子の部屋がこれではがっかりだ。 半ば拉致に近い形で、かつ俺が弟だとは言え、人を招くんだったらもっと整頓しておくべきじゃないのか? 「いい子にしてた?」 扉からひょこりと顔を覗かせて、にっこり笑う姉ちゃんが居る。 悪戯っぽい声と表情にまた溜め息が出た。 「こんなに部屋を残念な状況にしている姉に比べれば、俺は相当な人格者だと思うよ姉ちゃん」 「またそういう事言うんだから。ま、そんなとこも可愛くて好きなんだけど……」 そういう事はもっと正常な状況下において発言すべきなのであって、今この瞬間には全くそぐわない。 男に可愛いと言うな。弟にそんな熱っぽい目を向けるんじゃありません。 当の姉ちゃんは全く知ったこっちゃない風で、両手を後ろに回したまま嬉々として俺に寄ってきた。 さっきまでの絶望に満ちた表情は何処へ行った? 「思ったんだ。このままじゃどうやっても隆志君は私から離れちゃうよね」 そりゃそうだ。 姉ちゃんはまず部屋を片付けたらどうかな。 「--隆志君が好きなの。大好き。誰にも渡したくない。私以外の他の誰かを好きになって欲しくない。私だけを見て欲しい」 だからそういう事はもっと-- そこまで考えた時だった。俺はふと顔を上げる。 見開かれていた姉ちゃんの目は魂が抜けた様に光を宿しておらず、瞳孔だけが大きく開いていた。 虚ろな目の焦点は俺以外の何者にも向かっていない。口許にだけは笑みが称えられていた。 そこに来て初めて俺は背筋に走る恐怖を感じた。 53 :×ヤンデレ ○ヤンドジ 5:2007/10/27(土) 17 48 39 ID GtEXSXwN 「……姉ちゃん?」 「隆志君の世界が私だけになれば何かが変わると思ったんだけど、そうでもないみたいだし」 「姉ちゃん」 「それなら」 そう言えば、さっき姉ちゃんは何処に行ってたんだろう。 後ろに回してある手には、何が握られている? 今日みた笑顔は本当に笑っていたか? 何もかもを諦めた、悟りきった笑顔だったんじゃないのか? 「こうするしか、もう方法は無いよね?」 姉ちゃんの手が、ゆっくりと俺に迫ってくる。 その手に握られていたのは-- 「は?」 「やだなぁ隆志君、知らないの?」 姉ちゃんはやたら自信満々にこう言った。 「醤油は飲み過ぎたら死んじゃうのよ」 醤油のボトルを片手ににっこり笑う姉ちゃん。 やっぱ駄目だコイツ。 その後、俺に口移しで飲ませようとして盛大に吐き出した事だけを付け足しておく。 「姉ちゃん姉ちゃん、片付けんの手伝おうか?」 「……私から離れないって約束出来る?」 「そのネタはもういいから」 「ネタじゃないもん」 「はいはい」 「もう、隆志君!」
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2417.html
114 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 21 45 40 ID y9ZxoISc [12/14] 依存型ヤンデレの恐怖2 寝苦しい夜だった。体中をナメクジが這い回るような感触。クソ。未夢のヤツだ。相変わらず生粋の馬鹿のこいつは、現在、俺の足に股間を擦り付けて絶賛自家発電中だ。 「うぁ…リューヤ、リューヤぁ!」 ふざけんな。小一時間も問い詰めてやりたい。だが、俺はそうしない。普通にキモイ。 でも止めない。俺は意地悪だから。むしろ手伝ってやる。 (うりうり!) 足を軽く揺すってやると、未夢は若鮎のようにおとがいを反らして反応した。 「あっはぁ…!?」 もうすぐだ。未夢はイク時、俺の名前を安売りみたいに連呼する。 「リューヤ、リューヤ、リューヤ、リューヤぁ…」 堪え性のない奴だ。そんな奴には、罰を与えてやる。 (今だ!) 狙いすまして動きを止めてやる。 「あぁ!あああ…んんん~!」 不完全燃焼の未夢は切なそうな呻きを上げる。 しかし、バレてないとでも思ってるんだろうか?俺の寝間着は未夢の吐き出した粘液でズルズルだ。 (もう一度だ。こんなエロっ娘は懲らしめてやる!) そんなことを繰り返しているうちに朝になった。 日の光と共に起き出した俺は、疲れてはいたが爽快な気分だった。一方の未夢は、どんよりとした眼差しに疲労の色を浮かべ、うつらうつらと船を漕いでいる。 (勝った…!) 「起きんか!このメス犬!」 下半身剥き出しの未夢に頭突きを食らわせる。 「きゃいぃん!」 いい悲鳴だ。 未夢が俺の身体でオナニーに耽るのはこれが初めてではない。この馬鹿はイッて満足してしまうと、後始末もせずに寝てしまうので部屋中性臭で一杯になってしまう。もちろん、俺の寝間着はガビガビだ。 初めこそチェリーの俺は動揺したものの、今ではこの通り、何も感じなくなってしまった。 (なんか違う…自慢するとこじゃない) 男として枯れてしまったような気がした。 未夢にエサを与えてそそくさと登校する。俺を見送った未夢は、欲求不満からか虚ろな目つきをしていた。 今度はオナニーを禁止してやろう… 学校で、有意義な授業を受け満腹になった俺はついうとうとと眠ってしまった。 …遠くに雨の音が聞こえる… はっ、として目を覚ますと窓の外は雨だった。 (しまった!) 窓から身を乗り出して校門を見ると、未夢のヤツが、また俺の服を着て一人、ぽつんと立っている。 濡れた子犬のように、惨めで哀れを誘う光景だった。 115 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/21(金) 21 49 25 ID y9ZxoISc [13/14] 降りしきる雨の中、全力で校門に向かう。 「馬鹿っ、おまえ、なんで来たんだ。こんな雨の中、傘も差さないヤツがあるか!」 未夢は熱があるのだろうか、目元を赤くしてどこかしら浮かされたように言った。 「だって、未夢、リューヤだけしかする事ないもん…」 ゾワッと来た。 重い。 重すぎる。 幼なじみじゃなかったら、迷わず逃げ出すところだ。 未夢の身体は熱く、吐き出す息はどこか気だるそうだった。 慌てて帰宅する。こんな時にもかかわらず、この馬鹿は熱っぽい息を俺の耳に吹きかけたり、股間に手をやってモジモジしたりと忙しかった。おかげで電車の中で目立ってしょうがなかった。 帰宅して、救急箱を 探すが見当たらない。このときほど健康優良児の自分を恨んだことはない。 「未夢っ、救急箱知らないか?」 自分の家のことを何故他人に尋ねるのだろう。情けなさすぎる。 「風邪薬…?」 「ああ、それと濡れた服を着替えないとな…」 未夢はふらふらとリビングの奥に消えて行った。 そして帰って来た時、ヤツは風邪薬を片手に微笑み、何故か全裸だった。 「……」 「……」 沈黙があった。 流石の俺も意表を突かれ、この時ばかりは言葉を忘れた。 何なんだ、こいつは。一体、何処の星からやって来たのだ。 気を取り直して、全裸の未夢から風邪薬を受け取る。気にしたら負けだ。 「……」 俺の見込みは甘かった。どうしようもなく甘かった。 驚きはまだあった。 未夢が持って来たのは…座薬だった。 こいつは此処までするのか。 できるのか。 「変態」 「違うもぉん…リューヤが好きなだけで…」 俺? 未夢が怖くないかって? 怖いよ。 めっちゃ怖い! 「なあ、未夢…物事にはTPOというのがあってだな…」 「むつかしい話しはわからないよ……」 未夢…お前が、ナンバー1だ。 そして夜、またしてもリビングの床に未夢を正座させた。 バカは風邪を引かないという逸話があるが、どうやらそれは実話であるらしい。ピンピンしている。 「さぁ、誓うんだ。未夢!」 「リュ、リューヤのお家ではオナニーしませんっ!」 ここに至るまでの間にウメボシを山ほどかましてやった。流石に少し堪えたようだ。 「もう一丁!」 「リュ、リューヤのお家では、へ、変態禁止っ!うわーん!」 ふんっ! 誓わせてやったわ! 心配して損した…。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1823.html
434 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 16 42 ID E//dvSBC 拝啓 御神千里様ゴールデンウィークを終え、学園自慢の大桜も花もひとつ残らず散ってしまいましたね。 花の命もはかないものと言いますが、こうして散っていく様を見ますと少し寂しくも感じますね。 毎日お昼休みになると大桜の下で一時の休息をされる御神くんも同じ思いだと存じております。 毎日拝見させていただく御神くんの安らかな寝顔は、呆気なく散っていく大桜の花などよりも麗しく、私の卑しい心が癒されております。 ただ、大桜の木を物憂げに見つめる貴方を見る度、視線を向けられる大桜に悔しさを覚えることもあります。 ああ、大桜!大桜!大桜!大桜!大桜!樹木の分際で御神くんに見られ観られ魅られる栄誉を得ている大桜を、何度燃やしてしまおうかと思ったことでしょう。 あるいは、私以外のものに向く御神くんの視線を、眼球をえぐり取ってでも独占してしまいたいと何度思ったことでしょう。 ご挨拶はこれくらいにして、今回こうして突然のお手紙をお送りしたことをまずはお詫び申し上げます。 ですが、貴方様にどうしても、この命に代えても叶えていただきたいお願いがあってお手紙を送らせていただいた次第なのです。 聡明な御神くんならもうお気づきのことでしょう。そう、大桜。 435 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 20 55 ID E//dvSBC 四月には見事な花を咲かせていた大桜。その下で愛を誓い合った男女は必ず結ばれ、その愛は永遠となるという伝説のある大桜。 憎々しくも忌々しくも私達にとって最後の希望である大桜。その大桜の木の下にいらしていただきたいのです。理由は言うまでもないものと思います。 私はあなたを愛しているから。私は御神くんを愛しています。好きです。好きです。大好きです。超愛しています。いえ、超なんて言葉では足りません。 大愛しています。その十倍愛しています。百愛しています。千愛しています。万愛しています。億愛しています。極愛しています。極大愛しています。 とにかく愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛し愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛してます。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しいます。ています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 436 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 23 38 ID E//dvSBC 愛さずには居られません。あなたをずっとずっとずっと1年365日見続けて愛せない女がいるでしょうか。 もしそんな女がいるのなら、それは女ではありません。人間ではありません。動物ではありません。 生物ですらありません。むしろ生きる価値がありません。あ、でも、私と御神くんの仲を引き裂こうとするモノも生きる価値とかありません。 そう思うだけでも罪です。存在するだけでも罪です。 判決で言えば死刑です。いえ死刑でさえ生ぬるいですよね。愛を邪魔するモノは存在するだけで罪なのです。周囲に毒を振りまいているようなものです。 存在自体が毒です。そんなモノが今この瞬間存在して酸素を消費していると考えるだけでも怖気がしてきませんか?してきますよね。私は毎日怖気を感じています。 怖くて夜も眠れないです。あ、そう言う話じゃありませんでしたね。とにかく、大桜の木の下にいらしてください。私の愛を受け取るために。愛の為に。 もし万に一つ、いえ億に一ついらっしゃらない場合は、当方どんな手段を用いてでも来ていただく覚悟があるのでご了承ください。 それでは、また会える時を一秒千秋の思いでお待ち申し上げております。 あなたの緋月三日より 437 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 25 54 ID E//dvSBC 「字大杉」 あ、上手いこと言えなかった。 もとい、俺こと御神千里(みかみせんり)は下駄箱の前で、そう突っ込まずにはいられなかった。 下駄箱の中に入れられていた、「御神千里さまへ」と書かれた手紙。 内容は「恋がかなう伝説の大桜の下に来てください」 今時ベタを通り越して古風でさえある手法。 こうした類の物を受け取った際はドキドキしたり舞い上がったりするのが礼儀なのであろう。 それに対して、我ながら無粋な感想を言ってしまったものである。 大体、送り主がこの場にいるわけでもないので、口に出して言っても仕方ない。 「うーい、みかみんどーした。ってなんっじゃこりゃあああああ!」 後ろからクラスメートAがどっかのドラマみたいな声を出した。 「誰がクラスメートAだ…じゃなくてこのヤンデレた手紙だよ!」 クラスメートAこと親友(悪友?)の葉山正樹が強烈なツッコミを入れてくる。 「んーこれー?入ってた」 自分の下駄箱を指さし、俺は笑顔で答えた。いやまぁ、普段から糸目だからあんま変わらないけど。 「あー、ウチの学園って扉付きの下駄箱だかんなー。そういうのも出来るんだよなじゃなくて手紙の内容だよ!笑えねーよ!不幸の手紙かよ!『愛してます』とか上から下までみっちり書いてあるし!」 「字、綺麗だよねー」 「確かにキレーだがよ!内容がこえーよ!むしろ見た目からこえーよ!誰だよこんなの書いたの!」 矢継ぎ早に突っ込んでくる。 一言で通常の三倍くらいになって返ってくる男だ。 「名前はあるけど、コレ、何て読むと思う?」 最後の行(て言うか便箋の一番下)を指さす俺。 そこには『緋月三日』と書いてある。 「ええっと、どれどれ…ひ、づ、き…ひづきみかァ!!!」 あ、エクスクラメーションマークが増えた。 って言うかそれくらい驚いた。 「よく分かったねー。ソレ、『みっか』って読むのかと思った」 「…え、アレ、知らないの?って言うか気付いてないの?」 まるですごい意外なことのように、問いかける葉山。 438 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 26 32 ID E//dvSBC 「もしかして、俺知ってる?そのコ?」 あんま人間関係にはコダワリ無いからなぁ、俺。 「いや何ってありゃお前のストー…ヒイイイ!」 何かを言いかけて、まるで幽霊に会ったような叫び声を上げる葉山。 「どしたの?」 「ああ、い、いや、何か背後から怖気が…。いやまぁ、マジメな話、同じ名前のヤツ、ウチのクラスにいるぜ?」 そーなの? 「よく覚えてるよねー。4月に同じクラスになったばっかりなのに」 「いや、近くの列のヤツ位覚えとけよ」 「近くの人はお前しか覚えて無いからなー。」 「そりゃ、オレは隣の席だからな!」 そんなトークをしながら、ちょっと自分頭の中を検索する。 確か、後ろの方の席の… 「あー、あの?」 やっと思い出した。 「そうそう、あの地味ーで暗ー…ヒイイイイイイイイイイ!!」 葉山はまた怖気を感じたらしい。 風邪かな? 「地味ってか、髪長い子だよね。すごいキレーな」 「キレー?お前あんな感じの顔が好みなん?」 「髪の話ー。ぶっちゃけ、顔はまだ覚えきれてない」 僕は答えた。 教室の中に時々、何やら触りたくなるほどサラサラヘアーの女子がいるとは思っていたのだ。 「…ちょっと行ってみたいかも、大桜の下」 「ええー!」 僕の呟きに、大げさに驚く葉山。 「なぜそんな驚くかな」 「だって、緋月って地味だし友達もあんまいない感じだしヒイイイ!」 また叫びだす葉山。 そろそろ本気でコイツの体調が心配になってくる。 「葉山、はやまん、風邪っぽいならとりあえず保健室行っとく?あと、風邪に効く料理のレシピとかも書くわ」 「お前って意外と甲斐甲斐しいよな…」 大丈夫、と手をひらひらさせつつ、葉山は言葉を続ける。 「と、とりあえずその手紙はイタズラなんじゃね?多分」 「イタズラ?」 「木の下に来てくださいってハナシでここまでみっちり書く奴はいないぜ、フツー?」 葉山の言葉には納得しかねるモノがあるが、この手紙の内容には微妙に足りない部分がある。 それが無い以上、リアクションの取り様が無い。 ――ってコトはイタズラの手紙ってことになるのだろうか。 「まー、確かにイタズラっぽいけどねー」 「だろ?だろ?んじゃ、この話はコレでおしまいだよな!」 どこか強引にそう言いながら、話を打ち切る葉山。 そして、別の話題を葉山とダベりながら教室に向かう。 「でもなー」 葉山のバカ話を聞きながら、俺は呟く。 「イタズラでここまで丁寧にやる奴もいなくね?」 439 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 26 52 ID E//dvSBC 御神千里は気がつかなかったが、そのやり取りの一部始終を物陰から見ていた者がいた。 そして、その人物は今も千里の後ろ姿を見つめている。 「…イタズラ、なんてウソですよね。御神くん」 その人物はささやくように言った。 「…私、本当にどんな手段を使ってでもあなたを手に入れますよ…?」 そして、ぐっと両手を胸の前で握りしめる。 「…私、頑張ります」 440 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 27 57 ID E//dvSBC 緋月三日。 今年から俺と同じクラスになった少女。 内気そうな印象の少女。 友達は多くは無く、しかし居ないわけではなく。 成績は悪くはないらしい。 ただし、体育の方はどうも壊滅的のようだ。 体育の授業中に女子の方を見ると、何やらすっころんでいたり、いかにもどんくさいのが居たが、どうもそれが緋月らしい。 体型も触れれば折れてしまいそうな細身で、ぶっちゃけ運動には向いていない。 華奢と言えば聞こえは良いが、その分胸囲とかは察してくださいとしか言いようがない。 そして何より髪が綺麗。 今時珍しく腰まで伸ばした長い髪は柔らかそうな髪質のサラサラしたストレート。 色白細身な体系もあって、いかにも和風美人(?)といった感じである。 まぁ、不細工と言うほどの顔立ちではないが、誰もが振りむく美人というのとも違う。 そんな癖のある顔立ちでも無く、肌がきれいなのも相まって、良く見れば結構可愛いじゃん、といったカンジ。 メイクさんやってるウチの親なら磨けば光る素材、と評するだろう。 以上が、葉山から聞いた情報と自分の乏しい記憶を統合しての、緋月三日のプロフィールだった。 「…って、何でそんなにアイツのこと気にするかな、みかみん」 「髪綺麗な女は気になんの」 「髪フェチ!?」 「それに、あの手紙のこともあるし」 「……」 今は昼食の時間。 隣の席の葉山とゆるゆる喋りながら弁当(自作)を食べていた。 「…忘れろよ、あんなんただのイタズラだって」 本気で不愉快そうな顔をしてそう言う葉山。 「でもさー」 俺はそう言って胸の内ポケットから今朝の手紙@緋月(仮)を取りだす。 「こんなキレーな字書く女子、イタズラでも会ってみたくね?」 「…ゴメン、お前のツボは分からん」 葉山が言う。 「ってか、最後まで、字キレーなんだよね」 文面を見ながら、俺は言った。 糸目をちょっとだけ見開き、改めて読み流す。 便箋の上から下まで文字で埋め尽くした上に、いずれの文字も丁寧なのだ。 これは、単に字が綺麗だからというのではない。 一文字一文字にしっかり気を使っているからだろう。 並の労力ではないし、時間もかなりかかっただろう。 それを考えると、この手紙は芸術的でさえある。 …まあ、一カ所だけ書き損じがあるが。 それを差し引いても、ただのイタズラにしては手がこみすぎている。 頑張りすぎているのだ。 ただのイタズラや嫌がらせならもっと手を抜いている。 手を抜いて良いところだ。 「字キレーで、頑張りやさん、か」 そう呟き、何の気なしに教室の後ろの方に目を向ける。 緋月の席は教室の奥の方、窓側の後ろの方にある。 ふと、緋月と目があった気がして思わず互いにそらしてしまう。 そうこうしているウチに弁当は食べ終わり、昼休み開始のチャイムが鳴る。 「ご飯の後ってやっぱ眠くなるよなー」 ふわ、とあくびをしながら俺は言った。 「まぁなー。…ってまさか」 葉山がシブい顔になる。 「昼寝ー。いつもみたく大桜の下で」 「行くのかよ!」 ガタンと立ち上がる葉山。 441 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 28 18 ID E//dvSBC 「落ちつきなよー。あの手紙はイタズラなんだろ?」 「そりゃそーだけどよ…」 食い下がる葉山。 「もし本気だったとしても、ぶっちゃけ送り主はいないと思うしなー。だから、手紙とは関係ナシ」 んじゃなーと言って、俺はいつものように向かう。 その下で愛を誓い合った男女は必ず結ばれ、その愛は永遠となるという伝説の大桜へ。 尤も、そんなのに関心の無い俺にとっては絶好の昼寝スペース以外の何物でも無いのだが。 「みかみん、お前マジ緋月のヤバさ知らなさすぎ。って言うか、何で気付かないんだよ」 葉山が後ろで何か呟いているようだが、よく聞こえない。 「アイツ、去年の間お前をずっとつけまわしてたストーカーなんだぜ…?」 442 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 28 49 ID E//dvSBC 私立夜照学園(ヨルテルガクエン)名物大桜。 元々は随分昔に偉い人が寄贈だか何だかしたものだそうで、学園設立当時くらいからあるらしい。 そんな由緒正しい代物だけに、学生の噂話の常連でもある。 ある時は学園七不思議のネタにされ、ある時は様々なジンクスの元となった。 現在伝わっていないモノもあるんじゃないかな? そんな噂の中でもっとも有名なのは、「大桜の木の下で告白し、愛を誓った男女の愛は永遠の物となる」というもの。 一体いつのゲームの設定かと思わなくもないが、ともあれ夜照学園の生徒にとってこの大桜の木の下で告白するのは鉄板となっている。 で、いつの時代も恋する乙女の注目を集めるそんな大桜は、校庭とかの辺りとは少し離れた位置にある。 だから、それこそ愛の告白をしたい人間くらいしか、ココに訪れることはない。 だから、静かに昼寝をするには絶好の場所だったりする。(罰あたり) そして、今日もいつものように木の下に訪れる。 「やっぱり、来てくれたんですね…」 その声は、後ろから聞こえた。 聞き覚えのある声だと思った時には、俺の首筋に電流が走っていた。 443 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 29 41 ID E//dvSBC 「コレをこうして…、ここをこうやって…」 次に気がついた時、俺は大桜の下で仰向けになっていた。 ウン、いつも通り。 違うのは、聞き覚えのある声=緋月のささやくような声が聞こえること、頭の下に柔らかいものがあたっていること(膝枕?)、手足が動かないこと、ぶっちゃけ手足が縛られていること。 …明らかに、いつも通りでない所の方が多い。 間違い探しが楽と言うレベルではない。 「最後に、ハンカチで口をふさいで…」 そー、っと真っ白なハンカチが見覚えのある顔と一緒に近付いてくる。 「いやいや顔が近いから」 びくぅ、とハンカチと顔を離す緋月。 「ってか、緋月?緋月三日?」 「はい!」 「取りあえず、確認したいことがあるんだけど、聞いて良い?」 俺の言葉にブンブンと首を縦に振る緋月。 いー感じに緊張しているっぽい。 視界的には緋月が上なのだが、無駄に身長の高い俺と話すのは怖いのかもしれない。 「質問その1。口をふさいでどうするよ」 取りあえず、分かる所からツッコミを入れよう。俺は葉山じゃないんだし。 「…イニシアチブを取る、ためです」 相変わらずささやくような声で言う緋月。 それにしても良い声だな。よく声優になれって言われません? 「イニシアチブ?」 いや何の。 「意中の異性を手に入れるためには、肉体的、心理的に優位に立つことが必要不可欠。その為に、まずは相手の動きを封じることが大切、とこのマニュアルに書いてあります」 見れば、緋月の手にはいかにもお手製な小冊子が握られている。 444 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 30 15 ID E//dvSBC 「何のマニュアルだよ、それ…」 俺はうめいた。 何か、表紙が黒いし、明らかに諸悪の根源っぽい臭いがする。 まぁ、そこは今あまり重要でも無く。 「ま、いいや。質問その2。もしかして、今朝の手紙は君が書いたの?」 「はい!頑張りました!」 全力で答える緋月。 頑張ってたよな、確かに。頑張りどころを間違えている気がしたが。 「マジメな話、やっぱ本気で俺にここに来てほしかったって訳?イタズラとかじゃなく?」 俺の言葉に、緋月の瞳からハイライト(生気)が消える。 「…御神くん、まさかあのクラスメートAの言葉を真に受けて無いですよね…?私の愛の限りをこめた手紙をイタズラだなんて本気で思っているはず無いですよね…?」 「うん、自然な動作で首に手をかけるのは止めようなー」 何かすごいことしようとしてるので、ツッコミをいれておこう。 桜の下で本当に死体になりたくは無い。 しかし、緋月はその白く細い指で俺の首を包みこんだ。 包みこんだだけだが。 「…痛くないんですか?」 「別にー?」 首のあたりに多少圧迫感があるかないか、というところだ。 俺のリアクションに、一生懸命首をしめようと試みている(らしい)緋月。 ただ、彼女は「首の締め方」的な物をどうにも心得ていないらしく、一向に痛くならない。 何しろ首の横から力入れてんだもんなー。 真上から体重をかけられたらさすがにちょっとは痛いだろうけど、単純に筋力(しかも非力)で何とかしようとしてるから、全く効果が無い。 うんうん言いながら頑張る緋月の姿は結構ほほえましいものがある。 …目的は俺の首を絞めることだが。 「話を戻すけどー」 何やら頑張ってる緋月の顔をアップで見ながら俺は言った。 「俺がココに来る時間って、今で良かったわけ?」 「時間?」 僕の言葉に動きを止め、きょとん、とした顔をする緋月。 内気そうに見えて、中々表情豊かだ。 癒されるものがあるねー、こんな状況でなかったら。 「大桜の下に来てほしい、とは書いてあったけど、『いつ』来てほしいとは書いてなかったじゃん?だから、どうしたものかなって思ってたわけ」 445 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 30 55 ID E//dvSBC 『昼休み』に来てください、なのか、『放課後』来てください、なのか、明日かもしれないし、一週間後かもしれない、そう取れる内容だったと言える。 俺の言葉に緋月は目を白黒させる。 「う…そ…」 おお、パニくっとるパニくっとる。 「うそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそう」 字面だけ見れば死ぬほどヤンデレらしいが、実際は涙目で困惑してるだけである。 あんまり表情が変わるような印象の無い娘なので、涙目はかなり新鮮―――というよりぶっちゃけ可愛い。 「ほんとだぞー」 ひょい、と例の手紙を手渡す俺。 それを受け取り、上から下まで読み返す緋月。 「そんな…。がんばったのに…頑張って、勇気を出して書いたのに…」 事実に愕然とし、顔を手で覆いさめざめと涙を流す緋月。 「泣くな泣くな。お前が頑張ったのはこの手紙を読んだ俺も良く知ってる。」 ぽんぽん、と柔らかく緋月の背中をたたく俺。 「…分かって、くださるんですか?」 「ああ、もちろん。それに、結局俺はお前がいる時間にココに来たんだから、結果オーライじゃないの」 昼寝のためだった、とは言えんがな。 「…私の頑張りは、無駄じゃ無かったんですね…?」 「さぁそれはどうだろうなんてことは無かったぜ。バッチリ報われてるぜ」 俺の言葉の途中で緋月がまた泣き顔になったので慌ててフォロー。 決してまた首に手をかけられたからではない。 「んじゃ、そろそろ質問その3。お前の望みを言え」 「どんな望みも叶えてくれる!?」 泣き腫らした目のまま打てば響くようなリアクションを返す緋月。 内気に見えて、中々リアクションの才能があるっぽい。 「や、そこまでは言ってないし。 まぁ、何の代償も要求しないけど」 ネタが分かる人っぽいのでそこはフォロー。 俺の言葉に居住まいを正し、深呼吸をする緋月。 「あなたに、私への愛を誓っていただきたいのです」 泣き腫らした眼で俺の眼をまっすぐ見つめ、そう宣言する彼女は、思いのほか魅力的だった。 不覚にも見惚れてしまうほどに。 しかし… 「うん、何か色々すっ飛ばしてるよな」 446 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 31 44 ID E//dvSBC 俺の言葉は、半分は照れ隠しだが、残りは明らかな本音である。 …つーか、俺らの人間関係始まってもいない気がする。 そこで愛を誓えってのは第一話に最終回やれってくらい無茶ぶりだろ。 とはいえ、また涙目になる(&首に手をかける)緋月がいたたまれないので一応フォローしよう。 「そもそも、何で俺なのかって理由を聞きたい。ウチの学園には俺よかイケメンの奴とかたくさんいるし」 これがギャルゲーなら主人公だから、で納得するんだけど、別にそんな設定は無いからなー。 いや、桜の下でいきなり縛られるゲームがあったら嫌すぎるけど。 「…御神くん以外の男子なんてゴミみたいな人です。むしろ、御神くん以外の人がゴミのようです」 「それ、某ラ○ュタネタだよな。分かりづらいだけで。そうでなかったら、そんな酷い表現使っちゃいけませんと親御さんの代わりにお説教をしてるところだぞ」 だとしても、某宮崎監督が泣きそうな使い方だ。 「みんながゴミなら俺はクズとか?」 伝説の大桜の下で昼寝しようって言う、空気の読めない罰あたりだもんな。 「違います!御神くんは優しい人です!!私がそれを一番よく知っています!!!」 今度は悪鬼のごとき表情で怒りだす緋月。 俺の為に怒ってくれんのは嬉しいが、その顔芸は止めような。 他人に見せられん顔になってるもの。 「…覚えていますか?去年の今日、まだこの学校に不慣れで迷子になっていた私を、御神くんが教室まで案内してくれたことを」 「いや、全然」 「お、ぼ、え、て、い、ま、す、か?」 一生懸命首絞めをしながら聞きなおす緋月。 本人的には精いっぱい威圧的に言っているのだろうが、涙目なので迫力に欠ける。 白い指がひんやりして心地良い…じゃなくて、乏しい記憶力をフル回転する。 以下回想 ―――どしたの、君?小動物見たく辺りを挙動不審に警戒して――― ―――…あ、あの…きょ、教室が分からなくて…――― ―――あーこの学園、無駄広いからなー。中等部からいる俺でも把握しきれないし。君、何年何組?――― ――――…い、一年十三組です…高等部の…――― ―――何だ、隣のクラスじゃん。一緒に行く?――― ―――…い、良いんですか…?――― 回想終了 「ああ、あのおかっぱ!」 「そ、そうです!おかっぱでした!」 全力でうなずく緋月。 447 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 32 09 ID E//dvSBC 首を動かす度に長い髪が乱れて、何かエロい。(変態) あったあったそんなこと。 あの後、後ろにその女の子を伴って教室に戻ったんだっけか。 ただ、その女の子は黒髪おかっぱの髪型だったので、今の緋月(ストレートロング)と結びつけるには少し時間がかかった。 ホント、女の子って髪型変わるだけで印象変わるや。 「一年で随分髪伸びたよなー」 「…あの日から、気がついたらあなたの姿を目で追うようになっていました。」 「無視かい」 恍惚とした表情で語りだす緋月。 「…気がついたら、あなたの姿を見つめるのが日課になっていました」 「そりゃ初耳」 「…気がついたら、四六時中あなたの姿を追うようになっていました」 「…四六時中?」 「…気がついたら、あなたのいる所にはどこでもついていくようになっていました」 「気がつけよ!」 いや、緋月もそうだが俺も気がつけ。 何でこんなキレーな髪の女子が近くに居るのに気がつかんのだ。(論点が違う気もするが) 「…そうしているうちに、いろんなことを知りました。あなたについて」 「ほうほう」 「…他人に無関心に見えて誰に対しても優しい所とか。時々見せる笑顔が素敵な所とか。意外と家庭的だったりとか。早起きさんなところとか。自慰行為は一日何回やっているかとか」 「最後に下ネタ!?って言うか男の前で自慰行為とか言うなよ!嫁入り前のコが!」 って言うかプライバシーの侵害にもほどがある。 「…大丈夫です、これからは私が満足させます」 「あんの!?ソッチの経験!?」 「………が、頑張ります」 「あー、無いのね。別に無くて良いけど」 内心、なんかホッとしてる自分がいる。 「ってか、それも段階飛ばしすぎだろ。手つなぎイベントとか、初キスとか、その前に色々あるっしょ。ラブコメ的に」 「…どんな要求にも応えます。御神くんが私の要求に応じてくれるように」 「…びみょーな表現使うなぁ」 苦笑を浮かべる俺。 何か、本気でどんな要求にもこたえそうだわ。 死ねと言われたら死にかねない。 …逆に、俺も死ねと言われたら死ななきゃならないらしいけど。 「まぁ、何となく事情はわかった」 コイツの人となりもね。 ぶっちゃけ、かなりとんでもないことをしてる娘ではあるが、それ以上に頑張り屋なのだろう。 頑張りどころをかなり間違えている感もあるが―――まぁ、そこはおいおい治していく感じで。 ゆるゆる生きてる俺にとって、何かのために頑張れる人間ってのは、かなり眩しく見えるモノで。 それが自分の為だってのは中々に感動的な物がある。 ま、髪もキレーだしね。 ロングなのもポイント高い。 …おや、付き合わない理由が無いな。 その上であえて言おう。 「だが断る」 448 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 33 30 ID E//dvSBC ばしゃん! そう答えた瞬間、緋月の手にはたくさんの凶器が握られていた。 ハサミ、カッターナイフ、十得ナイフ、ダガーナイフ、伸縮式警棒、ワイヤー、アイスピック、妙なスプレー、スプーン、包丁、お玉(注:調理用具はもっと丁寧に扱いなさい)その他諸々 …あ、スタンガンもある。アレで俺を気絶させたのな。 「愛を誓ってくれなければ、私を殺してあなたも死にます」 「逆逆」 いや、あんまり変わんないけどね。 「つまりね、別に愛を誓おうが恋を誓おうが良いんだけど、こっちにも条件があるってコト、みたいな?」 凶器の山に臆することなく、俺は言った。 使い手が無害なことが分かってるからね。いや、だから逆に危ない気もするけど。 「…え?」 俺の発言に、緋月の手から凶器の数々ががしゃがしゃと落ちる。 「愛を誓うならまず君から誓え」 「命令形!?」 緋月は驚くが、一応手足を縛られているこの状況である。 いい加減俺が優位に立ってもバチは当たんないと思う。 「…うう、最初から羞恥プレイを命じられるとは思いませんでした…」 「何が羞恥プレイだ。見た目的には俺の方が恥ずかしいわ」 縛られてるしね。 「あうう…」 顔を真っ赤にしながらうつむく緋月。 「…愛しています」 「聞こえなーい」 「愛してます!頭のてっぺんから足の先まで魂の奥底まで愛しています!他の女には渡しません!他の女になびいたらショックで死にます!あなたを殺してから!だから私だけの御神くんになってください!」 「良いよー」 俺はさくっと返した。 「「軽!」」 ツッコミは緋月からだけでなく、意外なところからもやってきた。 449 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 34 21 ID E//dvSBC 葉山だ。 何か木陰からでてきた。 「おお、はやまんじゃん。どしたの?」 「心配になって来てみたら。お前ナニイテンダ!」 葉山の言葉が興奮で喝舌がすさまじいことになってる。 「お前この女にずーっとつけ回されてたんだぜ!ストーカーだぜ!何っでそんなのと付き合うんだよ!考え直せ考え直せ考え直せ。付き合ってロクなことになるわけがない」 必死で俺の説得にかかる葉山。 そうは言うが、コイツずっと見てたのか、今のやり取り。それこそストーカーみたく。 「いやまぁ、頑張る所を間違えてるよなとは思うけど、見られてただけで実害があったわけじゃないし」 むしろ、近くに置いといた方が面倒が無い気もする。 「見られすぎだろ!」 「見るのだって楽じゃないっしょ」 「のっけから恋人とか超展開すぎだろ!」 「とりあえず、世間のお見合い結婚カップルに謝ろーな」 「怒られてる!?」 「それに、ぶっちゃけ遠くから見られるよか近くに置いておいた方が面倒が無…もとい面白いし」 「「それ言い直す必要無いよな(ですよね)!?」」 葉山と緋月の声を背景に、俺は立ち上がる。 そろそろ予鈴だ。 「んじゃ、そろそろ戻るか」 言って、緋月に手を伸ばす。 「はい!・・・って」 しっかり手を取り、フリーズする緋月。 「私、御神くんの手足を縛ってましたよね!?」 「…そんな設定あったっけ?」 「ありました!」 「…うん、ゴメン。結構ゆるゆるだったってか、すごいあっさりほどけてたわ」 「いつから!?」 「結構最初から」 「そんな!?」 がびーん、とか言いそうなくらいショックを受ける緋月。 「まー、努力は報われたんだからそんなショックを受けなさんな、マイラヴァー」 「は、はい!」 歩き出す俺にとことことついてくる緋月。 カルガモの子供みたいで中々可愛らしい。 そして、三人でダベりつつ教室に戻る。 「ホントに良いのか、みかみん。クーリングオフとか効かないぞ、コレ」 「良いんじゃない?何かイロイロツボったし」 「…良いのか、それで」 「…葉山くん、どうしてそんなこと言うんですか?…もしかして、あなたも御神くんを…」 「「無い無い」」 「…息がぴったりです」 「付き合い長いからねーって愛情的な意味じゃないからなー。あ、そうだ緋月。お昼とかいつもどうしてる?」 「…こ、購買でパン買ってます」 「それじゃ足りないっしょ。育ち盛りなんだし。明日から俺弁当作ってくるわ、恋人っぽく」 「い、良いんですか!」 「何か逆だぞそれ!本当に甲斐甲斐しい男だな、みかみん!」 「うるさいよ」 と、まあ、こうして俺の楽しくも不穏当な青春は過ぎてゆく。 450 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 35 03 ID E//dvSBC おまけ 「そう言えばひづきん、その凶器やら黒い表紙のマニュアルやら、どっから調達してきたん?」 「…あ、コレは母が珍しく用意してくれたんです(いきなりあだ名付けてくれた…)」 「親御さんが?」 「…何でも、母はこういった物を使って父を手に入れたのだそうです」 「…」 「…この『恋人絶対拉致入門』以外にも、『泥棒猫の■し方』とか『素敵な監禁生活AtoZ』とかも用意して下さったんですよ。御神くんも読みますか?」 「…いや、いいわ」 お母さん、俺の彼女の母親はヤンデレのようです。 つまり、俺の彼女はヤンデレの娘さん。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2539.html
846 名前:ヤンデレ☆レモン[] 投稿日:2012/08/31(金) 19 00 24 ID BOOwjX5Y 3話 御崎「いいよ、でも私は死なない。限度すぎてるし殺すわ」 ザクッ 御崎は泰知を刺して殺した 樹理「何でこんなことをするんだよ?」 御崎「だって、あなたに近づいてるのは意地汚くて、ただの馬鹿 なのよ。貴方が腐っちゃうわ・・・・・・」 御崎はそういって席に着いた ある日の事 俺が3日親がいない1日目の夜の事 ピーンポーン 樹理「はいはーい」 ピーンポーン 樹理「うざいなぁ、もう押さないでください!」 ピーンポーンピーンポーン インターホンの音がうるさいので開けたら バターン 一瞬でドアが開いた 御崎だった 御崎「こんばんわ!樹理君一緒にご飯食べない?」 樹理「え?いいけど・・・・・・」 俺は御崎を家に入れて御崎が持ってきていたおかずを食べた 樹理「うっ!」 俺は急に苦しくなった 御崎「どうしたの?もっと食べてよ・・・・・」 おかずの中にやばいものが入ってんだ この中には薬が入っていた あいにく、飲み込みはしなかったが・・・・ 御崎「毒薬飲まなかったんだ・・・・」 毒薬? 俺は御崎と一緒にいたくなくなって俺は席を立ち、家を出ようとした 樹理「俺、トイレに行ってくるな・・・・・・」 御崎「ふーん」 御崎はそういって席で待っていた 俺はその間にトイレに行って トイレの窓から逃げた 続く